*ぎっくり腰(急性腰痛)の解説と治療
ここでは、一般的に急激な腰の痛みを訴えて
鍼(針)灸治療院に多く来院される症例、いわゆ
るぎっくり腰について解説いたします。
一般的にぎっくり腰と呼ばれる病態がその代
表的な物で、それらの多くは鍼(針)治療で飛
躍的に改善治癒する症例が多く又当院でも多
い症例です。
@ぎっくり腰について
ぎっくり腰というのは病名ではなく、急性に激
しい腰の痛みを訴えている病態を表す名前です。
ぎっくり腰の原因となる腰の疾患には次の様なも
のが揚げられます。
![](http://koumeidou.jp/scan0012211.jpg)
椎間関節の図1
1)椎間関節捻挫による急性腰痛(ぎっくり腰)
椎間関節(背骨間の関節)に大きな負担が急
にかかる事によって、引き起こされます。(腰椎
捻挫)
捻挫の程度によりその痛みの強さや治り易さ
も異なりますが、鍼で深部の筋群や椎間関節
周囲の柔部組織の緊張をとり、炎症を抑える事
でかなり効果が期待できます。
2)筋筋膜性の急性腰痛(ぎっくり腰)
急に腰をひねった事により筋膜が傷つき痛む
腰痛(ぎっくり腰)です。
この種の腰痛(ぎっくり腰)も非常によく見られ
る症例で、痛みは激しいのですが、鍼治療で筋
肉を緩めるだけでかなり楽になり1回の治療で
治ってしまう物も非常に多い症例です。
3)腰椎のズレによる急性の腰痛(ぎっくり腰)
上下の腰椎の椎間関節のズレにより腰の痛み
を見る腰痛(ぎっくり腰)です。
ほとんどがX線や、MRI等の所見では確認でき
ない程度のズレですが動作時にかなり強い腰
の痛みを伴う物が多く、じっとしていていても鈍
い重だるいような、感じがする物もあります。
これも、当院でも、しばしば遭遇するぎっくり
腰の症例で、鍼(針)治療で椎間関節周りの筋
群や柔部組織を緩めた後、整体(当院では、
AKA<関節包内運動学的アプローチ=弱めの
力で、リスクの少ない整体法>で椎間関節のズ
レを戻します。
骨のズレが、完璧に治まると、腰の痛みもほとん
ど、消失した感じがして、1,2日の内に治癒します
。ただ、ズレがしっかりと戻らない場合や捻挫の症
状(軽い炎症)が、残る場合は、しばらく治療を要す
る物も有ります。
![](http://koumeidou.jp/scan0011211.jpg)
椎間関節の図2
4)仙腸関節捻挫・仙腸関節のズレによる急性
の腰痛(ぎっくり腰)
この症例もぎっくり腰で来院される腰痛の原因
ととしてかなり多いものです。
仙腸関節とは、仙骨(腰椎の下にある逆三角
形の骨)と腸骨(骨盤の大きな骨)を接合する平
面状の関節で不動関節ですが、蝶板状の関節
で、たわむような役割をします。靱帯等でしっか
り接合されていますが重い物を急に持ち上げた
時や、長時間の座位(事務仕事や車の運転)に
より徐々にズレたりします。この仙腸関節捻挫
は、上部腰椎(L1~L3)付近の腰部の筋緊張が
強い場合にズレ易い様に思えます。従いまして
治療としては、鍼や指圧で腰部及び仙腸関節付
近、臀部、股関節部の筋群を緩めた後、AKAで
仙腸関節のズレを修正します。
この症例もズレが治まると腰の痛みが殆ど消
失する例が、殆どですが、捻挫の炎症が強いと
、半分位、痛みが残ることが、あります。
5)その他
上記以外にも急性に強い痛みを発現する腰痛
もありますがそれらは一般的なぎっくり腰とは
切り離して考える必要があります。主なものと
しては、
*腰椎椎間板ヘルニアが、突出した場合の腰
痛
この場合は下肢に対する神経根症状(坐骨神
経や大腿神経領域に対する痛み、痺れ、知覚及
び運動神経障害)がかなり激しく出現します。
*腰椎分離症が激しい運動等により急に発現し
た場合。
この様な症候が、疑われる場合は、整形外科を
受診されて、MRI検査等で医師の診断を受けるこ
とが第一です。あとは、安静が第一です。都賀近
辺では、みつわ台の若葉整形外科クリニックが、
予約なしで、MRI検査をしてくれます。
当院でもこの様な器質的病変があり、鍼治療等
で、初期の段階では、効果が期待できない又、危
険のある事が疑われる患者さんには医師の受診
を勧めております。
*ただし、上記のような、神経根症状を伴う腰椎
椎間板ヘルニアでも、慢性期には、鍼治療で大き
な効果が得られるものも多々あります。
また、器質的な病変がなくても、深部の筋肉や椎
間関節周囲の柔部組織がかたくなったり腫れぼっ
たくなることにより、神経根を圧迫し下肢に対して
痛みや痺れ(坐骨神経痛や大腿神経痛、股関節
痛)が表れる事は、良くあることです。中には足付
くとズキンとひぃどく痛んで、歩くのも困難な場合
もあります。症状が酷くても器質的な障害、病変
がない場合は治りが良いものが殆どで、治療後す
ぐ
に痛みがとれしてしまうか、Ⅰ,2回の治療で治って
しまうものが殆どです。このような症状は当院のも
っとも得意とする症状ですが、ヘルニア等がある
場合は、簡単にはいかないものです。
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